安藤まなのてきとー日記

22歳 発達障害の母の日記です

小学校でのゆとり教育の現状

なぜいきなりこんな記事を書こうと思ったかというと、今日、私の小学生時代の話を夫にした時に、ずっと心の片隅にあった小学校の教育に対する疑問が沸々と湧き上がってきたからだ。

最近、Twitterで話題になったいわゆる「さくらんぼ計算」問題だが、あのような問題は10年以上前の私の小学校でも頻繁に起こっていた。

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さくらんぼ計算」問題で例えると、私の小学校でもさくらんぼ計算式を書かずに答えだけ書いていたら、点数を減点されていたと思う。「思う」と書いたのは私は実際にそれをしなかったからだ。なぜしなかったのかというと、書かないと減点されることを理解していたからだ。「さくらんぼ計算」問題はまさに昨今の日本の初等教育を代表する分かりやすい事例だ。ゆとり教育下の小学校では、全てが「わからない子」向けに作られており、「わからない子」がわかる様になるために、様々な考え方を教えている。問題はそこではなく、その考え方をすべての子供に強制するところにある。「さくらんぼ計算」問題で例えると、「7+6」は「わかる子」ならばすぐに解答を導き出せるし、何回も問題を解く内に「7+6=13」であることを暗記してしまう。しかし、何回教えても「7+6」を解くことが出来ない子が存在する。そういう「わからない子」に向けて、解き方を分かりやすく説明するために「さくらんぼ計算」は存在するのだ。なので、そういう考え方を説明した上で「わかる子」は普通に問題を解いて解答すればいいし、「わからない子」は、「さくらんぼ計算」を用い、その過程を用紙に書くなりして解答を導き出せば良い。しかし、なぜか昨今の教育では全員「さくらんぼ計算」を使い、その過程をテスト用紙に書き残さなけらばならないとされてしまう場合が多いのだ。

私の場合、「7+6=13」であることは理解出来ていたのだが、授業での先生の発言を聞く限り、「さくらんぼ計算」で問題を解き、その過程をテスト用紙に書き残さなければ点数が減点されることは理解できており、絶対にそんなことで減点されたくないという強い気持ちがあったので、面倒でも計算式をテスト用紙に書くようにしていた。悲しいことに、私の小学校の算数の教師は「さくらんぼ計算」を教える時に、その方法で問題を解き、計算式を書き残さないとテストで減点することを何度も繰り返し生徒に力説していた。正直なぜそこまでするのか微塵も理解できないが、実際にそうだったのだから仕方がない。

さくらんぼ計算」問題のような教育に疑問を持つご家族のツイートを見る限り、お子さんは私の様にその方法で問題を解き、計算式を書き残しなさいということを教師に言われていたが、聞いていなかったという可能性もあるのかなと思う。もちろん、そうではないかもしれないし、それを言わずに勝手に減点する教師が居たらかなりひどいと思うが、頭がいい子というのは教師の話を聞いていないことが多いと感じる。私の小学校では、私が1回目の授業の最初の10分くらいで理解できることを5回の授業に渡って説明したりしていた。私は真面目な生徒で居たかったので真面目に授業を聞いていたが、頭がいい子はそんな授業は聞かなくなる可能性が高い。その間、暇になるので何をするかと言うと学習塾の予習復習だ。そんなことしても本末転倒だ!という意見が聞こえてきそうだが実際これがそうでもない。なぜなら、ゆとり教育下にある小学校で習っている内容より、中学受験のための大手学習塾で習う内容の方が遥かに進んでいるからだ。(ちなみにここで言う学習塾とは、個別教室の塾などは含んでおらず、あくまで中学受験で難関中学に合格することを目的としたスパルタ的な学習塾のことである)私の実際に通っていたのだが、本科授業が小学4年生から始まる塾で4年生で習った算数の内容で、兄の友達の6年生の算数の宿題を教えることが出来た。ちなみに私の兄は私より頭が良く、国立大学に現役合格したのだが、小学校は遊ぶために通っていると言っていた。学習塾で習う内容は魅力的で面白いが、小学校で習う内容は退屈でつまらないと言っていた。兄は学習意欲も高かったので、学習塾は熱が出ても休まなかったが、小学校は熱が出たら休んでいた。

これは、ゆとり教育の問題点である「浮きこぼれ」問題にも直結している。ゆとり教育はとにかく「わからない子」に合わせて作ってあるため、勉強ができる子は逆に周りから浮いてしまう。「浮きこぼれ」がどういう状態かと言うと、例えば10枚の算数のプリントがあったとする。この10枚は一つの単元の練習問題だ。これを解かせるために、まず、教師はその単元の内容を生徒に教える。教えを終わったところで、「ではプリントの練習問題をやってみましょう」となる。クラスの人数が20人だったとして、1番最初に10枚やり終えた時、1番遅い子はまだ2・3枚しか終わっていなかったりする。この場合、1番最初に終わった子が教師に何を言われるかというと、「プチ先生になってわからない子に教えてあげて」だ。ひどい時は「もうめんどくさいから本でも読んでいて」になる。このような状態になると、1番最初に終わった子がクラスから浮くことになり、最悪「あいついつも最初に終わっててなんかウゼェ」となり、イジメに発展したりしたりするのである。これが「浮きこぼれ」問題だ。これは決して誇大表現などではなく、私の小学校で実際に起こっていたことだ。私は「わかる人は手を挙げて」と言われたから手を挙げたのに、散々説明して私しか手を挙げなかった事実に激昂した算数の教師に「〇〇さんは黙ってて!!」と言われたことがある。黙るも何も、一言も話してもいないのだが・・・

公立の小学校での授業がこんな感じなので、私の住んでいる地域では頭のいい子はみんな中学受験をして難関中高一貫校に入学して行った。もはや小学校に通う意味が分からなくなってくる。小学校が楽しいならまだ良いのだが「浮きこぼれ」の子は文字通りクラスから浮いたり、イジメを受けたりするので救いがない。私の場合はクラスのみんなが優しかったのでそんなことはなく過ごせたから良かった。こんな教育で良いはずがないのだが、Twitterの事件を見る限り、10年間もこの状態のまま続いているらしい。まあ最終的に言いたいことは、「日本の教育ってなんかおかしいよね!!」